思い出はセピア色

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  「衣音、木野瀬 衣音(きのせ いね)です。」 私は声を絞り出した。 「木野瀬ちゃんね宜しく。 お兄さんは……。」 「そんなの良いから、早く見せてよ。」 「はいはい、じゃ彼女さんに合いそうな小型の銃を……っと。」 山積みに成っている箱から1つを取り出す店員さん。 結局名前聞けなかったな。 「これなんかどうだい?」 ショーケースの上に箱を押き中から鉄砲を取り出す店員さん。 「ワルサーPPKか~。 格好いいな。 衣音、持って見ろよ。」 「え? う、うん。」 「見た目は小さめだけど、取り回しが楽だし邪魔にならないから携帯に便利だよ。 それに木野瀬ちゃんのような手の小さい子でもグリップをしっかり持てるから安心して使えるよ。」 初めてトイガンを握った私にやさしく話しかけてくる店員さん。 確かに私の手でもグリップをしっかり持てる。 あ、ちょっと大きいかな? 「か~、やっぱり良いな。 これもブローバック?」 「もちろん。 撃ってみるかい?」 「いいの?」 「そのかわり空撃ちだよ。」 私は店員さんに鉄砲を渡した。 店員さんは鉄砲にガスを入れると旗門に渡す。
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