第六章 関連性

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  「明智は、大学を辞めてから約十ヶ月。その間は、どこかに潜んでいやがった。そして、殺されたんだろう」 「潜んでいたというのは、グループの本拠地と言いますか。グループの拠点に、という事でしょうか」 「俺としては、十ヶ月前の段階で殺されていると思っていた。だが実際、この十ヶ月の間はグループのメンバーとして。拠点にいて、振り込め詐欺を真奈香たちとやっていたんだろうさ」  酒出にしては珍しく、言い訳がましいことを言った。状況的には、仕方が無いにしても。本人にしてみれば、読み切れなかった事が悔しかったのであろう。  それでも、酒出は推理を語り続ける。  約十ヶ月前、明智は大学に退学届を提出した。しかしその理由に関しては、現時点まで分かっていなかった。  しかし、つい最近まで生存しており。グループの本拠地に潜伏していたとなれば。その理由を推測する事は、それほど難しい事では無くなる。
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