第六章 関連性

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   明智は、学業よりも振り込め詐欺に専念する為。大学を、退学をしたと考えるべきであろう。  大学に在籍し、卒業後に就職して得られる賃金よりも。振り込め詐欺を行う事で、手元に残る現金の大きさが魅力的に思えたのか。将来的に、どちらが得かは人それぞれの考え方によるだろうが。  退学から十ヶ月。明智は、本拠地にて振り込め詐欺をやり続けた。  ただ一週間ほど前、グループ内で明智とトラブルになったのだろう。それにより明智は監禁状態となり、食事も与えられぬ中で衰弱していった。  北方たちが聞き出した、真奈香の性格を考えると。明智は、彼女が嫌うグループの規則に反するような事をしたのか。もしくは、グループの存続そのものに影響するような事をしたのであろう。  本来であれば、明智をグループから除外するところ。  しかし明智は、振り込め詐欺に関して知り過ぎている。そのまま除外すれば、どうなるか。
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