第六章 関連性

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             4    酒出の頭に浮かぶイメージの世界に、変化が生じていく。  それまでは、黒一色の円盤に無数の光が瞬き星座表を形作っていた。ところがここに来て、円盤上の光が浮上し宙空で静止すると。星々を模する光が、細い白線によって繋がれていく。  もはやそれは、星座表ではなく。ドーム型のプラネタリウムの模型のようである。 「こいつで、このヤマのイメージは完成なのか?」  酒出は、イメージの世界で呟いた。すると、頭の中で数々の情報が整理されていく。  銀行強盗事件と本件の関連に関しては、先に口にした推理で間違いが無いだろう。毛利 凪沙や明智 礼央が殺害された理由に関しても、概ね間違ってはいないと考えられた。  上杉 真奈香と徳川 樹に関しては、まだ何とも言えぬ状況。  酒出としては、真奈香が犯罪グループのリーダー的存在で。徳川は、その使いっ走りであろうと考えている。
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