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それらは、都内ならびに県内の振り込め詐欺の被害届の資料。当然ながら、過去数年に渡ってのものであり膨大な量である。
それを、酒出のデスクに山積みにする。
もはや酒出班における書記が、酒口である事は岩波で無くとも周知の事実。
ただここのところ、大量の資料でも一人で処理して来た酒口であった。しかし持ち込まれた資料の量からして、いくら酒口でも数日は必要になりそうだと松本が手伝いに入る。
そして岩波は、酒出の正面に腰かけた。
そのタイミングで、酒出はルーティーンを止める。別に岩波が正面に座ったからで無く、推理がひと段落し無意識に止めただけの事であるが。
「酒出警部補。豊臣 翔人が加入していたグループについて、新たな情報が入って来ました」
「ほう、そいつは気になるな。早速、聞かせちゃくれねぇか」
「元々は、市内在住の高校生や高校中退の少年が悪さをするグループでした」
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