第六章 関連性

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   それらは、都内ならびに県内の振り込め詐欺の被害届の資料。当然ながら、過去数年に渡ってのものであり膨大な量である。  それを、酒出のデスクに山積みにする。  もはや酒出班における書記が、酒口である事は岩波で無くとも周知の事実。  ただここのところ、大量の資料でも一人で処理して来た酒口であった。しかし持ち込まれた資料の量からして、いくら酒口でも数日は必要になりそうだと松本が手伝いに入る。  そして岩波は、酒出の正面に腰かけた。  そのタイミングで、酒出はルーティーンを止める。別に岩波が正面に座ったからで無く、推理がひと段落し無意識に止めただけの事であるが。 「酒出警部補。豊臣 翔人が加入していたグループについて、新たな情報が入って来ました」 「ほう、そいつは気になるな。早速、聞かせちゃくれねぇか」 「元々は、市内在住の高校生や高校中退の少年が悪さをするグループでした」
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