第六章 関連性

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  「まぁ、そんな連中は日本全国どこにでもいるわな」 「ところが、そのグループが一年前を境に、一切の悪さをしなくなり。市内の繁華街からも、姿を消したそうです」 「また、一年前ってか」 「実はそんな彼らが、大学生風の男と一緒にいたという目撃情報がありました」 「その大学生風の男ってのは、明智か徳川ってところか。そうなると、当然だが真奈香とも繋がっていると考えるのが自然だな」  そう言ってから、酒出は自身の推理を語り出す。  凪沙・明智・豊臣などの事件関係者と見られる人間が、一年前を機に周囲の人間の目から見て変化を生じさせている。ただし徳川だけは、大学入学時の三年前から変化を生じさせた。  凪沙は別にしても、評判の悪かった人間が何かの拍子に更生し悪さをしなくなった。  そうしたケースは、あり得るにしても。今回のケースでは、酒出は悪かった人間たちが更生したとは考えていない。
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