第六章 関連性

43/58
前へ
/493ページ
次へ
   ある人物との出会いが、悪事の表面化するのを水面下へ潜らせる事へと変化させたのであろう。  そう、上杉 真奈香。彼女との出会いが。  真奈香と出会う事で、徳川は悪さをしなくなった。その仲間に、凪沙や明智が引き入れられ。明智と接点のあった少年たちも、悪事に手を染めなくなった。だがそれは、あくまでも表向きの話しである。  今までは、悪さをする事で発散していたもの。その発散方法が、別のものに出会ったのである。真奈香との出会いによって。 「その発散方法が、振り込め詐欺だったと」 「いや、振り込め詐欺ってより。金儲けにより得られる、金を使う事だったんだろうな」 「楽をして、高額の金が手に入る。その金で遊び、気持ちを発散させていた。だから、それまでに行なっていた悪さをしなくなったと」 「あぁ、そう考えりゃ、色々と辻褄が合うとは思わねぇか?」  岩波は一瞬考え、その通りであろうと納得した。
/493ページ

最初のコメントを投稿しよう!

823人が本棚に入れています
本棚に追加