第六章 関連性

50/58
前へ
/493ページ
次へ
   当然ながら、少年たちにもバイト代として相応の金銭を渡している。  ただ真奈香は、慎重で狡猾な女であった。  振り込め詐欺に関しても、行き当たりばったりの犯行を行わず。高齢者のリストを入手し、対象とする相手について調べ上げ犯行に及んでいた。  それにより、犯行の成功率と精度を上げていたと見られる。だからこそ、この一年で警察から捜査されず逮捕者も出さずに済んできた。 「その基盤は、一年前に出来上がっていたのだろうさ。それにより、真奈香の思い通りに金が入ってくるようになっていた。ところが、その直後から誤算が生じてきた」 「その誤算とは……」 「凪沙と明智の金遣いが、徐々に荒くなっていった事だ」 「真奈香としては、黙っていられぬ状況だったのでしょうか」 「まぁ。明智に関しちゃ、そうだったのかもしれん」  酒出の考えでは、浪費グセは明智の方が激しく。凪沙は、そこまででは無かった。
/493ページ

最初のコメントを投稿しよう!

822人が本棚に入れています
本棚に追加