第六章 関連性

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  「まぁ、そんなところだろうな。そこで真奈香は、心を入れ替えろと仲間に暴行させたんだろう。ところが、そこで明智が死んじまった」 「その暴行には、殺害の意思があったのでしょうか」 「あったのかもしれんし、無かったのかもしれん。もしかしたら真奈香は、殺しても構わねぇと思ってたかもしれんがな。ともかく一人殺っちまった事で、グループ内でゴタゴタが始まっちまう」 「ゴタゴタ、ですか?」 「人が、一人死んだんだ。凪沙にしてみりゃ、ビビってグループを抜けると騒いだとしても不思議はねぇだろ」  凪沙の殺害動機は、口封じは口封じでも。グループを抜け、振り込め詐欺から足を洗うと言い出したから。明智の殺害に怖気付いたなら、警察に自首すると言い出したのかもしれない。  いかに人を騙す事に罪悪感を覚えないとしても。自分の身は可愛いという気持ちが、追い詰められた精神状態の中で芽生えたとしても不思議は無い。
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