第六章 関連性

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   その後の人生より、自分の命を守ろうと凪沙は逃げ出した。  ところが、末端の少年たちに捕まり、その命を奪われてしまったという訳だ。  少年たちにしてみれば、凪沙を殺害しなければ自分たちが殺害されるかもしれない。そうした恐怖に縛られる事で、真奈香の指示に従ってしまったのだろう。  しかも、凪沙殺害の直前。豊臣 翔人が、銀行強盗事件に巻き込まれ、命を失うというアクシデントがあった。真奈香にしてみれば、明智の反乱から豊臣の死まで想定外の連続であった筈。  そうした中でも、真奈香は冷静であった。  凪沙の殺害の指示など、冷静な人間でなければ出せるものでは無いと酒出は明言する。しかも、その後の警察からの事情聴取にも、冷静に対応しているのである。  仲間の徳川が、ここまでの事情聴取で余計な事を口走らずに済んだのも。真奈香が冷静に釘を刺し、場合によっては台本を作っていたのかもしれない。
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