機械の心

10/14
前へ
/14ページ
次へ
 キーンコーン、カーンコーン。  今日の刑期は、終了したらしい。  どこの部活にも所属していない私は、料理部に所属している希沙を見送り、ため息をつきながら学校を後にする。  毎日疲れる。  若いから疲れないなんて、大人達は言うけれど、私たちは私たちで社会性というものがある。  その枠組みから外れないように生きていくためには、常にファッションとメイクをインスタでチェックして、お笑いやドラマにも目を通して、だけど目立つことのないように。  常に、クラスで10番目くらいを目指す。  地雷に触れない当たり障りのない会話、誰も心の中に入れない。  風が冷たい。  もうすぐ冬が来る。  冬が来れば期末テストが来て、冬休みが来る。  そうすれば彼女達も中島に構うのになんて飽きて、他の遊びに変わるかもしれない。  時間は残酷で、とても公平だ。  冷たい?  それが普通だよ。  どうでもイイ話だけどね。  あ、忘れものした。  今日体育であったのに、体育着持って帰るの忘れる所だった。  取りに戻らなくてもイイけど、臭いとか完全に標的になるからな。  時間もまだ早いから、取りに戻るか。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加