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時計を見る。
ちょうど8時30分を指し、少し遅れてチャイムが鳴り響く。
中島に構っていた子達も、バラバラと自分の席へと戻る。
結局答え合わせは、あまり進まなかったな。と私はため息をついて、希沙と顔を見合わせた。
共犯者のような笑み。
そうよね、私だけが悪いんじゃないもの。
私の2つ前の席に、中島はノロノロと座った。
顔は俯き、ショートカットの髪から見える項は、白くて白くて。
今にも教室から消えてしまいそうだ。
後ろから見ても、肩が震えているのがわかる。
ホント、何でこんな目にあってまで、学校に来るんだろう?
教室の扉が開き先生が入ってくる。
ああ、これで少しの間何も考えなくてすむ。
私とは関係のない遠くで、先生は黒板に白いチョークで文字を綴っていく。
意識せずに私の手は、ノートに文字を書き写していく。
まるで自分が機械にでもなったかのように。
本当になれたらいいのに。
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