機械の心

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 眠気に誘われる。  サラサラとシャーペンの擦れる音と、静かな息づかいが心地イイ。 今はまだ静かに眠っている獣たち。 静寂とは呼べない。 白いモヤが、眠りへと手招くから、中島の事を考える。  何で中島がいじめの対象になったかなんて、分からない。  夏休みの前までは、そんな事はなかった。  至って平穏で、特にいざこざもなく、中島を今ハブにしているグループの子達と、普通に笑いあって、お弁当を食べたりしていた。  なのに、夏休みが終わって状況は一変してしまった。  最初は軽い無視から始まった。 すぐに他のグループに行けばイイのに、もう作り終わったグループに入れてくれる人なんて、私も含めて誰も居なくて。 中島は一人きりになった。  だって、無視されるって事は、中島に何か問題があるとしか思えない。それに入れてしまったら、今度は私たちの誰かが標的になるかもしれない。  上位グループの彼女達に、睨まれたくはない。  怯えは伝染する。  中島は弾かれてはさ迷って、でも結局元のグループに戻って。だからアイツらもそんな様子に苛立ったのか、楽しんでいるのかは分からないけど、どんどんエスカレートしていって。  反抗するなり謝るなりすれば、子供のやることなんだからすぐにどうにかなったのに。それをしないのは、よっぽど虫の居所が悪かったのか、運が悪かっただけなのか、私には分からない。
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