機械の心

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 私たちは、この狭いクラスに飼われた獣の中の一匹で、誰にだって役割というものがある。17歳っていうのは、無敵で不安定でいけない。  1年の時の初々しさもなく、3年のような落ちつきも持っていない、中途半端な年。  どうしようもなく傲慢で、簡単な誘惑にも勝てない。  何をやってもどうせ無駄で、どうしようもなく孤独だ。  乾いてる?  でも、世界はココ以外にもある。  私も含めてこの世界は、欠けてもイイ沢山のパーツで構成されている。  その中で言えば、中島は必要なパーツだったのかもしれない。  バカで、可哀想で哀れで、関わりたくない、病原菌。腐っていく段ボールの中の世界の生け贄。  だって仕方ないじゃない。  卑怯な大人達に押し込められていく自我は、こうやって発散するしかないじゃない。  だから止められない。  これは中島だからという問題ではなく、この世界のシステムそのものなのだから。  ただ、私には関係ないだけ。  ボーッとしてたらスマホにLINEの着信。机の下でこっそり確認。  顔をしかめる。  みんな黒板を見ているから、気づかないよね。
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