2人が本棚に入れています
本棚に追加
「次の体育、体育館でのバスケに変更。中島には回さないように」
子供かよ、くだらない。
そんな事をして何を得るの?
思わず出るため息。
でも教えない、口を閉ざす。
それでイイ、心にナイフをゆっくりと差し込む。
もう血は出ない。
真っ黒なそれは、もう死んでしまって。
だって、私が口を閉ざしても、情報を得る方法はいくらでもあるでしょ?
ねえ、バカじゃないんだから。
なら、私が言えばイイじゃないって?
冗談。
この世界、弱味を見せたら負ける。
そう、踏んづけて、踏んづけて、誰かに踏まれる前に、踏むしかない。
誰かを犠牲にしたとしても。
中島は体育に来なかった。
その時間何をしていたのかは知らない、知りたくもない。
だって中島が居ようと居まいと、時間は流れていく。
私は私の事だけでいっぱいいっぱいで、誰かを助ける余裕なんてない。それは私以外も同じで。
誰もが同じ制服を着て、同じ顔をして笑う。
そのように「教育」をする場所だから仕方ない。
そうやって機械になれればイイのに。
心なんて、不確かで不安定なものが、抹殺されてしまえばいいのに。
最初のコメントを投稿しよう!