余白に描く思い出

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 アンドロイド、それは人間に限りなく外見を近くして作られたロボットだ。  最近になってロボットの技術が飛躍的に向上し、身近に存在するようになる。  そうして、アンドロイドが製造され販売されるようになったのだが、初期のものは売れ行きが良くなかった。  その理由としてあまりにも人間に似すぎたかららしい。  人間の姿形、そのものなのに人間ではないということに一種の違和感というか、気持ち悪さを感じたからというものだ。  また、コストがとても高い。これらの理由から初期型の製造は短期間で終了。  その後、人間らしくないロボットが主流となった。そのためこれらのロボットを見ることはなくなったのだが。  だからそんなものを見ることになるなんて思わなかったわけだ。    「さて、どうしたものか」  とりあえず、あのままスクラップ場にいると面倒くさそうだったので、とりあえず家に帰ってきた。あのアンドロイドも一緒にだ。あのままあそこにいてもなんだし、それにこのアンドロイドが動くところを見たいからな。  外見を見るに外傷はなさそうだ。電源が落ちているのだろうか。  スイッチみたいなものは見つからないな……ん?  そういえば首のあたりにスイッチ見たいのがあったな。とりあえず、押してみる。  うん、動く気配なし。  なんだろうなー、どこか壊れているのだろうか、外傷はないみたいだけど。  服の下は見たかって? 見られるにきまっているだろうハハハ。……ごめんなさい、私には無理です。  いや、だって姿かたち女の子ですよ、無理です、無理。とりあえず、ネットでこいつのこと調べてみるか。    だめだ、全然出てこない。あのアンドロイドが旧型なのもあるのだろうけど情報が全然出てこない。取説くらい残しとけよ。  あーもう無理だ。眠い、眠すぎる。  時刻を見るとすでに日付は変わっており、現在の時刻は深夜二時。  もうあきらめて寝よう。このことは明日また考えるということにして。
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