余白に描く思い出

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 起きると朝八時半。普通に遅刻しそうだ。昨日あれだけ怒られて『すみませーん、遅刻しました』なんていったら恐ろしいことになりそうだ。急がなくては。  朝ごはんはこの際いいだろう。鞄は持ったし、制服は今着た。昼ご飯は学食でいいか。 よし、準備完了。  そして、ドアを開けて学校に向かう。  「いってきます」  まあ、誰も返事はしないけどね。    「おい、夏樹。なんで教員室に呼ばれたかわかっているんだろうな」  「はい、学校に遅刻したからです」   はい、間に合いませんでした。  先生は厳しい口調のまま、説教を続ける。  「あのな、昨日あれだけ言われて遅刻するってどういうことだ。あれだけ言われて今日も遅刻するとか、おかしいだろ。あのな、学校は学力をつけるためだけの場所じゃないんだ。社会に出ても大丈夫なように常識を身に着ける場所でもある。わかるな。だからこそ、日常生活n規則正しい生活を……」  先生にいかに日常生活が大事なのかというのを一時間近く教授していただいた。  これでもう遅刻しないぞ、たぶん。
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