余白に描く思い出

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 松陽? 少なくとも僕の周りではそんな人はいないのだが。  「いや、ここにはいないけど」  すると、アイは驚いた様子で  「では、ここは一体?」  「ここは僕の家だよ」  「夏樹様の家? なぜ私はここにいるのですか?」  「ああ、えーと、君がスクラップ場で倒れているのを見つけて、そのままにするのも悪いと思ったから、家に連れてきて直そうかと思ったんだけど」  説明していくと、だんだんとアイの顔から驚きの表情はなくなり、無表情に戻った。  「そうですか、わかりました。これからは夏樹様のお宅でお仕えするということですね」  「お、お仕え?」  「私は何をすればよろしいでしょうか」  「え?」  「申し訳ありません、今から始めます」  そういうと、ベッドから降りて部屋から出ようとする。  「いやいや、ちょっと、ちょっとストップ。とりあえず戻って、ここに座って」  アイを引き留める  「わかりました」  そういってアイはベッドに座りなおした。  とりあえず、聞くこと聞いちゃおう  「とりあえず、どこか不具合とかない? あんまり詳しくは見てないから、わからなくて」  「不具合ですか? そういうものはないと思いますが……」  するとおもむろに上着を脱ぎだした。  「え! ちょ!」   とっさに後ろに振り向く。ロボットとはいえ、姿かたちは女の子だから見るのはいろいろ問題がありそうなので見ないように。  「どうかしましたか?」   「うん!? いや、大丈夫問題ない! それより早く確認して!」  「はい、大丈夫そうです」  「ならよかった」  ひとまず安心だ。  「では、私はどうすれば?」  「いや、大丈夫。今日はいいから、休んでて」  「わかりました……」  渋々といった表情で承諾してくれた。しかし、良かった。どこも悪くなくて。    「うー、あーあ」  背伸びをしながらあくびをする。いつものように機械いじりをしていてこんな時間になってしまった。  さすがに寝ないとまずい……か……。
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