余白に描く思い出

　「……うわっ！」
　目を開けると外が明るくなっていた。いつの間にか眠っていたらしい。
　座ったまま眠っていたためか、全身が痛い。これからはちゃんとベッドで眠らないと。
　時計を見ると午前七時。　朝ごはん食べてから学校に行くとなると、そろそろ準備したほうがいいか。
　まだ重い瞼をこすりながらリビングへと向かう。
　「おはようございます、夏樹様。朝食はもう準備しました。どうぞ」　
　「うん、ありがとう」
　朝食を受け取り、テーブルに着く。パンを主食にスクランブルエッグ、サラダとどれもおいしそうだ。
　「それじゃあ、いただきます……うん？」
　あれ……あれ！？
　「え、ちょ、え？　どうして？」
　「何かできることはないかと思いまして、まず朝食をおつくりしようかと」
　あー、確かに昨日『今日は』って言っていたな。それで一日たったから何かしようとしたと。
　「そうなんだ、ありがとう」
　「い、いえ」
　なぜか驚いたような表情で返事をしてくれた。
　「しかし、なんでこんなに」
　いろいろとやってくれるの？　そう聞こうとしたが、それを聞く前に
　「夏樹様、お時間大丈夫ですか？」
　そう言われて、初めて気づく時間の経過。
　「ヤバい、すっかり忘れてた」
　朝ごはんをさっさと食べて、支度をする。
　「それじゃ、行ってきます」
　「いってらっしゃいませ」