プロローグ

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プロローグ

「ねえねえ、おかあさん! えほんよんでよーっ、えほんーっ!」 「もう、しょうがないわね。読んであげるから、もう寝るんですよ」 「うんっ! やったーっ!」 「それじゃあベッドに入りなさい。今日はどんなお話がいいかしら?」 「わたし、ゆうささま(・・・・・)のおはなしがいいー! ゆうささま(・・・・・)のおはなしよんでー!」 「はいはい、勇者様のお話ね。エリスはそのお話がほんとに大好きなのね。それじゃあ読みますよ」 「うふふふ」 「むかぁし、昔の大昔」 「おかあさん、むかしってどれくらいむかしなの?」 「そうねぇ……お祖父ちゃんの、お祖父ちゃんの、更にお祖父ちゃんが生まれるもっと前の事かなぁ?」 「ふーん……」 「ふふふ……じゃあ、続きを読むわよ。そんな大昔に、神様はこの世界をお造りになられました。大地を造り、海を造り、空を造り、山を造り、川を造り、森を造り、草原を、雪原を、火山を、砂漠を、この世界にある全ての物をお造りになられました」 「かみさまってすごいねー。なんでもつくれるんだねー」 「そうよ、神様は何でもお造りになる事が出来るのよ」 「じゃあ、おかあさんもおとうさんもおじいちゃんも、かみさまがおつく(・・・)ならった(・・・・)の?」 「ふふふ……おつくりになられた(・・・・・・・・・)、よ。そうねぇ……お父さんとお母さんは、お祖父ちゃんとお祖母ちゃんが生んでくれたのだけれど、人間と言う生き物をお造りになられたのは神様かも知れないわねぇ」
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