プロローグ

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「ふふふ、そうね。じゃ、続けるわね。激しさを増す人属と魔属の諍いは、ついに戦争へと発展してしまいました。魔属はとても強い体と、牙に爪、強力な魔法を使用して人属を攻撃します。それに対して人属は、圧倒的な数と団結力で対抗しました」 「おかあさん、だんけちゅろく(・・・・・・・)ってなに?」 「うーん……皆が手を取り合って一つの事に立ち向かう事……かな?」 「なかよくがんばることなんだね!」 「そうよ。人族はその団結で魔属の侵攻を抑え、戦いは拮抗し、数十年が過ぎました。拮抗って言うのはどっちも勝てなかったって事だからね」 「ふんふん」 「その間は少なくとも争いの少ない平和と呼んでも良い時間が流れました。しかし突如、その平和も破られてしまいます。魔界に巨大な魔属が出現したからです。最も力の強い魔属を“魔王”、その次に力を持つ四体の魔属を“四獣候”と人属は名づけました。今までの戦いでは見た事も無い程、その五体は人族の太刀打ちできない力を持っていたのです」 「たちうちってなにー?」 「あら、難しいわね。そうね……人属の攻撃が効かなかった……かしら? とにかく人属が団結して戦っても、倒す事が出来なかったの」 「ふーん……こわいね~」 「そうだぞー。怖いんだぞー」 「あら、あなた。道具の手入れは済んだんですか?」
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