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「ああ、ついさっきな。それよりもエリス、まだ起きてたのか?」
「うんっ! ごほんよんでもらってたの」
「こんなに遅くまで? 夜更かしする子にはー……こわーい魔属がー……エリスを攫いに来るんだぞー……」
「ふえっ……」
「もう、あなた、エリスを脅かさないで。余計に寝れなくなっちゃうじゃない。ほら、こんなに震えて……」
「うはははっ! 悪い悪い! エリスは良い子だからそんな事はないよなー?」
「……おとうさん……きらい……」
「うっ!……お、お父さんは下でお祖父さんと話して来るよ……お、おやすみー……」
「もう、ショック受けるなら言わなきゃいいのに……エリス、大丈夫?」
「うん……へいき……」
「そう、エリスは強い子ね。今日はお話終わりにする?」
「ううん! もっとききたい」
「そう、じゃあ続けるわよ。一頻り猛威を振るった五体の魔属は、ある時魔界へと引き返し、そのまま人の住む世界に攻撃を掛けて来る事はありませんでした。しかしその強大過ぎる魔属に住処を追われた他の魔属達が、大挙してゲートを潜って来たのです」
「げーとっておおきなとんねるなんだよね? エリスしってるよ」
「ふふふ、そうよ。ここからも見えるあの大きなトンネルがゲートなのよ。あそこは魔界に繋がっていて、今でも時々魔属が迷い込んでくるのよ」
「まぞく、こっちにきちゃうの?」
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