奔流

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奔流

アア、暗澹! 悲しみの奥底に強く、卑しい怒りを抱え 私はひとり、私は一人、独りで 泪を流すことも忘れている アア、驕溢! 背伸びし必死の思いで、誰かの眼に留まろうと 私はひとり、私は一人、独りで 絶境の様な心持でいる許り 天満月は、知っているのだろう 哀しげな光で私を照らすではないか 痴づく私を憐れんで呉れるのか 憤む、憤む、私はかなしむ アア、暗澹!
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