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三沢祐介の日常
僕の住むN町には、とにかく何もない。
そびえる山に囲まれたこの町には、スーパーが一軒と夜九時で閉まるコンビニが一軒しかない。町で売っていない物は電車で片道一時間かかる隣町まで買いに行かなければならない。電車もバスも、時刻表には空白が多い。
目立った観光地もなく、遊ぶ所少ない。
町とは言っても、数年前までは村だった。合併によって町と呼んでいるが、町のはずれにあるのが、僕の町。
とにかく、この町は不便で不便で仕方がない。
早くこんな町から出たい。
中学に入った頃から強く思い始めた。
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