彼らは皆戦場にいた

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「アリアって呼んでっ!」  両手でアリアはギャスパーのベルトに手をかける。ためらいもなく金具を外すと、ギャスパーが小さく悲鳴を漏らした気がしたがアリアは構わず手を動かした。慌てた途端にまた距離を感じさせる口調に戻ったギャスパーをきっと睨んで、アリアはギャスパーの太ももを抑え込んで、ジャッとズボンのファスナーを下ろした。現れた灰色のボクサーパンツは広く色が濃くなっていた。恋人はどれだけ我慢してアリアのことだけに集中してくれたのだろうと、結局献身的な彼にアリアは申し訳なさとどうしても少しのときめきを感じながら、指を下着のゴムに引っ掛けて一気に引きおろした。  勢い良く飛び出した完勃ちしたペニスは、ペチッとアリアの頬に当たった。 「ご、ごめんっ」  ギャスパーは狼狽して謝るが、アリアにとってはどこ吹く風である。自分だけ気持ち良くなって終わりだなんて、彼は絶対に嫌だった。それはたとえ今夜じゃなくても許されないと思ったので、アリアは口淫ももちろんしたことが無かったがためらいを捨てた。自信はもちろん無い。しかし、アリアだってギャスパーを気持ち良くしてやりたいのだ。 「んう…おっき…僕のと全然違う」     
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