彼らは皆戦場にいた

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 ギャスパーは観念したのか、アリアの頭を撫でた。指の間に細い白銀の髪の毛を絡ませて、頭皮をなぞるように撫でるとアリアも感じてしまったのか、閉じた目の睫毛が震えた。ジュプジュプと音がする。アリアの口の端で溢れ出した唾液が泡立っているのが見え、ギャスパーはごくっと唾を飲んだ。  ちらっとギャスパーを見上げる目が少し得意そうだったのが可愛らしい。正直拙い舌と口腔の動きのもたらす快感はもどかしかったが、ギャスパーは自分のそれが恋人の、あの唇に迎え入れられているという事実だけでたまらない。 「んっ、」  しょっぱくて少し苦い先走りに口内を犯され、鼻が詰まって涙が出そうになったアリアは限界を迎えて思わずズルっと、半分ほど咥えていたペニスを出した。  そのまま小さな舌を目一杯伸ばして、二つの膨らみを揉みながらアリアは根元から竿を舐めた。見せつけているつもりはないのだろうが、大胆な行動にもう、ギャスパーは頭がおかしくなりそうだ。  あの赤い口にペニスを突っ込んで、めちゃくちゃに喉奥を突いてしまいたい衝動にかられる。きっとアリアは受け入れてくれるだろう。しかし彼は苦しい思いをするに決まっている。それにそんな風に、まるで恋人を道具のように使うことがどうしてもためらわれて、ギャスパーはぐっと思いとどまる。     
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