覚悟の行く末

8/16
前へ
/228ページ
次へ
 部屋の時が止まった。なんだか上が騒がしい気がしたが、二頭の竜はそれに気がつかない。 「……アリア」  ノクターンがそう小さくアリアの名を呼んだ時、アリアはあまりの緊張でごくっと唾を飲む。ずっと密かに考えていた仮説だったのだ。  ある日唐突に、誰かに対する好意が沸いたら、あまりのことに動揺して体は混乱する。アリアはその現象を、身を以て体験していた。ギャスパーがすぐそばで最初から、ずっとその感情に寄り添ってくれなかったら、きっとアリアはこれを恋とか、愛とか呼ぶのだとわからなかっただろう。それほどまでに、その感情は衝撃的なものなのだ。  もしかしたら、と、アリアは考えた。     
/228ページ

最初のコメントを投稿しよう!

199人が本棚に入れています
本棚に追加