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不安げなアリアの声にギャスパーは昔の彼を垣間見た。なんだか懐かしくなってしまって、緊張が少し解けたギャスパーは笑う。
「俺をあなたの婿にしてくださいませんか?」
駄目押しで言ったギャスパーはアリアの返答などわかっていた。その顔に歓喜が満ちて、跪いたギャスパーの方に近づいてきたからだ。
「もっ…もち、ろんです。喜んで!」
アリアがギャスパーに覆いかぶさるように抱きついた瞬間、国中の草木が爆発的に伸び始め花を咲かせた。その上快晴の空に虹がかかってしまい、ドラコルシアの竜達は、白竜アリアに何かとてつもない幸せが起きたのだと悟った。彼は力をコントロールできるようになってからでも、こういったことをままやってしまう。再び自然を一手に握るようになってから、彼はあまりそれを使おうとしなかったけれど、逆らえない時はあるのだ。
アリアはあんまり嬉しくて、なんどもギャスパーの体に頬を擦り寄せた。
「ギャスパー、ギャスパーギャスパーギャスパー!あなたを愛してる!」
「あ、アリ、うわっああああああ!」
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