恋の心臓、呼吸の果てまで

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 しかし驚いて固まったのはギャスパーの方だ。男のそこは濡れないはずである。しかし、ほんのいたずらのつもりで触ったアリアのそこは、女のように濡れていた気がしたのだ。  もしかして竜人族の雄は何もしなくても潤うのだろうかと混乱していると、コロンと寝転がって息を整えていたアリアがボソッと言った。 「エッチしたかったのは僕も同じだもん…」  大きな開けっ放しの窓から聞こえるヤシの木のさざめきがうるさかったが、ギャスパーはちゃんと聞き取ったはずである。  とんでもなく可愛いことをアリアが言ったと気付いた時は、ギャスパーは格好つかないとわかっていても彼に聞いてしまうことを止められなかった。 「あ、アリア、君は」 「…ごめん、なんだか僕とんだ淫乱みたいな」 「いっ…いや、そんなことは絶対ないよ。ねえ、聞かせていつから、」  自分でしてたの、と問おうとしてギャスパーはなんとなく言葉に詰まってしまった。長く波打つ白の髪の毛に顔を埋めたアリアの耳が真っ赤で、ギャスパーも照れたのだ。 「ギャスパーが、目を覚ましてからずっと。少しずつ、その、準備になるようにって…」 「え、」 「雄は時間かかるって聞いたから、手間かなって思って自分で解してたんだけど…だ、だめだった?」     
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