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アリアは汗をダラダラ流しながら言った。まだ確証はない。しかし、かなりの原始竜の特徴を持つアリアだから、事態はどう転ぶかもわからない。
返事もなしに微動だにしないギャスパーの様子に、最初はただ言いづらいだけだったアリアは、いやに緊張してきてしまう。もしかしたら、ありえないけど、と前置きをこさえてアリアが考えるのは、ギャスパーがアリアとの子供ができるのを煩わしく思っているのではないか、という可能性だ。
ついにアリアは耐え切れなくなって、ギャスパーに言った。
「ご、ごめん。僕の不注意で」
「…ですか」
「え?」
「本気で言ってるんですか!?それは、素晴らしいことだ。アリア、君は最高だ!」
「えっえっギャスパーこそ本気?」
「本気に決まってるじゃないか!夢みたいだ。いや、まだ確証はないんだな。でも可能性があるだけでも」
思った以上に喜び勇むギャスパーにアリアも嬉しくなりホッとしたものの、なぜこんなにギャスパーが喜ぶのかがわからない。だからアリアは彼に聞いた。
「ねえ、ギャスパーはヒナが好きなの?」
「いや、ヒナは…子供は普通くらいです。でもあなたとの子なら絶対に可愛い!それに、この俺にも、ついに血の繋がった家族ができるじゃあないですか」
隣に寝転んだギャスパーはニコニコして言ったが、アリアはハッとした。
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