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「直人、六年生の修学旅行を覚えてる?
純のおばあちゃんとおじいちゃんが旅館に純に会いに来たこと」
直人はバツが悪そうな顔をして頷いた。
「純のお母さんの地元が日光で、日光に着いた初日におばあちゃん達が会いに来たんだよね。
でも……」
「俺と純は木下先生の説教の真っ最中で、純なんか、可哀想におばあちゃん達の前で先生に叱られたんだ」
すずは手で口を押さえながら声を出して笑った。
「夕飯の前に直人と純が行方不明になったんだよね?」
もうすずは笑いが止まらなかった。
あの頃のやんちゃな二人が目に浮かんでくる。
「純がさ、レモン牛乳を買いに行こうって言ったんだ。
俺はガキの頃からいつも純に、栃木の田舎に帰った時に飲むレモン牛乳は最高なんだって聞かされてて。
そしたら、あの旅館にはレモン牛乳は売ってなかった。
俺が落ち込んでたら、純が下の方に店があったからそこに買いに行こうって」
直人は走馬灯のようにあの日光での時間を思い出した。
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