08;そして時系列は重なる

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部屋の窓から王子が側近の宰相閣下の次男のルードヴッヒと楽しそうに語り合ってじゃれているのが見える。 「愛しそうに見るのねミシェル、あまり深入りすると別れが辛いわよ」 そう言ってくれているのは、マリアンヌ・サンジェスト公爵令嬢だった。 私は複雑な笑顔を令嬢に向けた。 「マリアンヌ様はブラウン王子の事をどう思って・・・」 「そうね、・・・・・弟みたいな感情から抜けだせないでいるわ、卒業したら結婚は決まっているから、切り替えなきゃいけないのだけれど・・・難しいわね」 溜め息をつくマリアンヌ 「弟ですか?] 「同学年だけど、私のほうが半年お姉さんになるの、やることなすこと子供みたいで、いや子供だったんだけど・・・・恋愛感情が沸かなくてね・・・・はぁ・・・」 「弟・・・・か・・・頼んでも良いかな?」 (ん?あれ?マリアンヌ様の目線ルードヴッヒ様のほうに向いている気がするのは気のせい?) 「所で、目星はつきましたの?」 そう話を変えてきたマリアンヌ 「そうですね・・・まだ言わないでおきます、確信はありませんので」 「そう・・・」 「もう直ぐ卒業ですね、あっと言う間の2年間でした」 「寂しくなるわね」 『すみません、マリアンヌ様、卒業式の前の晩、最後の思い出に、ブラウン王子と二人で過ごしてもよろしいでしょうか?』 小さな声でマリアンヌの耳元で話をする 『?ええ?・・・?どうぞ?』 意味が分っていないマリアンヌだった。 にっこりとものすごく嬉しそうにするミシェルを、微笑ましく見守るマリアンヌだった。 だれも何時もしない手袋をしているミシェルに気が付かなかった。
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