記念

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「決まってるだろ? 婚姻届」 「アホかぁ!」 唯一僕が相談できる友人の晴真は、この僕でも分かる大ウソを平気な顔して吐いた。 が、意外にも晴真は本気らしかった。 「いいじゃん、好きなんだろ? 歩さんのこと」 「うん、それはもちろん」 まっすぐ訊かれると、こっちも素直に答えざる得ない。 晴真は、「じゃあ、決まり」と言った。 「まっ、大体はドン引きされると思うけどな」 「ッ……おまえなぁ!」 結局、プレゼントは決まらなかった。
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