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幼少時
パキリパキリとひびいるような
パチリパチリと弾けるような
ダイアモンドダスト
そんなことばも知らない幼いころは
きれいだとぼんやり空気を眺めていた
吐く息はもはや白くなく
爪先は雪靴の中でも痛いほどで
見上げた太陽が凍った雪の肌を照らすのを見て
おとぎの歌を聞いていた
雪はくるくるまわっていた
雪はくるくるまわって降るのだ
キラキラ世界を反射して
何かの結界のように我が世界はその中にあった
雪はくるくるまわっていた
わたしもくるくるまわってみた
すっかり凍った雪の上では
だれでもそうしてまわってみただろう
屋根からつららがさがっていた
わたしの背丈よりもずっと長く
わたしの片手で包めないほど太く
ときどき地面とつながって柱となっていた
世界はなおも弾けるような音を立てていた
雪はくるくるまわっていた
太陽はキラキラとしてあたたかだった
風がサラサラと氷雪を巻き上げていった
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