僕のこと

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 花を育てたいなどそんなださいかもしれない。  やはり訂正して、何か適当なことでも行っておこう。  何もしたことのない僕なら、やっていくうちに好きになるかもしれない。  そう思って訂正しようと口を開いたその時だった。 「うん、良いと思うよ。  まずはこの部屋の中で育てられるものを探そう。  慣れてきたらうちの庭を案内するから」  と、笑顔でそう話すシオン様に拍子抜けしてしまった。  相当間抜けな顔をしていたのだろう、シオン様が僕の顔を見てふふっと笑った。 「なな、変な顔になってる。」 「い、いいんですか…?お花のお世話とか、ださくないですか…?」 「ださい?どうして?可愛いよ」 「そ、そうですか…?」 「あ、そうだ、ななにこれをあげるよ」  そういってシオン様は立ち上がると本棚まで行き、何かを探し始めた。
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