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「おはよう。君、3日も寝ていたよ」
「え、あ…す、すみません…」
僕を見て微笑む彼は、綺麗な銀色の長髪を三つ編みにして前に流している。
それだけでヴァンパイアであることが見て取れる。
助けてくれたことは有難いが、ヴァンパイアだと分かると身体が震えてしまう。
「そんなに怖がらなくても大丈夫だ。
取って食ったりしないから」
微笑まれるが、逆にそれが怖い。
彼が何を考えているのか、その笑みからは読み取れない。
この血のことは、まだ知らないのかな…。
「名前を、教えて?」
「…なずな、です」
「可愛い名前だね。
髪も長いし、見た目は女の子だけど体は男の子だよね?」
見させてもらっちゃった、ごめんね。
そう言われ、僕は反射的に自分の身体を抱きしめた。
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