終わらない物語を、君に。

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「レスティンのことだ。 その魔女が村に病をばらまいている」 「レスティンが魔女だという証拠はあるのか」 「レスティンは魔女だ」 「証拠はあるのかと聞いている!」 スクーナが怒鳴ると、その場はしんと静まり返った。 「……レスティンは魔女だ。 あの日、雨が降るから街に行かない方がいいなど云い出した。 きっと魔女の力で橋を落としたに違いない」 ぼそぼそとしゃべるレオナルドを睨むと、ばつが悪そうにすぅーっと視線を逸らした。 恩知らず、だと思う。 レスティンが忠告したからこそ、助かったのに。 彼自身、レスティンに礼を云っていたではないか。 「そうだ。 カードで一度も負けたことがないのもおかしい。 きっと、魔女の力で勝っていたんだ」
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