終わらない物語を、君に。

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「流行病じゃないか、って。 ……ほら、隣村が」 先月、隣村が流行病で全滅した。 ひとりが倒れたあとはあっという間に広がり、駆けつけた医者すら、感染して死ぬ始末。 「オーレリーさん、隣村に親類がいて、埋葬に行ったらしいの。 それで」 「もう横になってた方がいい」 そっとふれたレスティンの身体は火のように熱い。 ……感染している。 いくら頼まれたからとはいえ、アーバンの奥さんと娘さんの看病をしたりするから。 この病に感染すると、あっという間に死に追いつかれる。 そもそも、オーレリーに隣村に行くことをレスティンは止めたのだ。 「なんて顔してるの。 私は魔女だもの、死なないわ」 レスティンの手が伸びてきてそっと頬にふれる。
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