終わらない物語を、君に。

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「そうだ、そうだ。 それに……」 疑心暗鬼になっている村人たちは次々に、自分たちの納得のいかないことをレスティンのせいにしだした。 果ては、自分が酔ってどぶに落ちたことまでも。 「レスティンは魔女だ。 レスティンがこの村に来てから災いだらけだ」 村人たちが話したことのなには何一つ、レスティンのせいで起こったことなどなかった。 むしろ、レオナルドのようにレスティンに救われた話すらいくつもある。 けれど村人たちは病に対する恐怖から、レスティンが魔女で、災いをばらまいていると信じ切っていた。 「待て。 レスティンは魔女じゃない。 ただの普通の女の子だ。 現に、レスティンも病で伏せっている」 スクーナが説明すると、村人たちが少しざわついた。 このまま冷静になってくれればいい、そう願ったものの。 「魔女が実験に失敗して、自らも病にかかっただけだ。 むしろ、レスティンが病にかかっていることが魔女の証拠だ」
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