終わらない物語を、君に。

26/29
前へ
/29ページ
次へ
「この吸血鬼が!」 「久しぶりの食事なんだから、邪魔しないでくれるかなぁ」 両腕で受け、そのまま払うと、村人は遠くまで吹っ飛んだ。 震える男に牙をたてようとして、後ろに迫ってきた男を回し蹴りで吹っ飛ばす。 「君たちは順番ってものを知らないの?」 血を吸ったせいか、気分が高揚する。 このまま全員、倒せそうな気さえした。 次の男に噛みつこうとした瞬間。 「やめて!」 レスティンの声に、凪いだ湖のようにその場が静まり返った。 戸口を見ると、レスティンが壁に縋って立っている。 「スクーナ、もうやめて」 一気に冷静になり、周囲を見渡すと酷い状況だった。 血を吸われ死んだ男が転がり、あちこちで骨が折れたりと大怪我をした村人のうめき声が聞こえる。 「レスティン」
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加