世界をその手に

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 二人は顔を見合わせた。 「師匠はどうしてしまったんだ」 「今さら世界征服だって?」 「世間とは関わらないはずではなかったのか」 「だが、あの目は冗談とも思えない」  しばしの沈黙ののち、一人の弟子が口を開いた。 「もしかして、師匠は世界を浄化するつもりではないだろうか」 「そうか、あり得る話だ」 「だろう? きっと師匠は世界の有り様を正すおつもりなのだ」 「そういう事なら我々もお供せねば」 「当然だな」    二人の弟子は、どちらからともなく手を差し出し、固い握手を交わした。 「師匠のところへ行こう」 「うむ。私達もお供しますというのだ」  二人は頷き合い、そして魔導士の部屋へと足を向けた。
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