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テディベアを抱いた女の子が怪訝な顔つきで大きな瞳をこちらに向けている。
白人的な小さい子って整ってるけど真顔だと可愛くないな、大人びた険しさが見える。
そんなことを思いつつ、真央を守るようにして改札を通り抜ける。
まだお腹は目立たないが、とにかく危険には気を付けなくてはいけない。
「百合亜(ゆりあ)!」
振り向くと、改札の向こうで焦げ茶色の波打つ髪を後ろで一つに束ねた母親がベビーカーを引いてやってくる所だった。
テディベアを抱いた娘の頭を撫で、低いが温かさを含んだ声で続ける。
「そっちには行かないよ」(了)
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