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「曽我(そが)君?」
日差しはきららかだが、冷えて乾いた風に黄色やオレンジの落ち葉が舞う駅前の広場。
横から呼び掛ける女の声がした。
君付けで呼ばれるのは何年ぶりかと思いつつ声のした方角を振り向く。
「あ……」
肩まであるオレンジ色の髪を緩やかに波立たせた、ピンクが勝った白い肌にそばかすの散った、人懐こい笑顔。
確かに見覚えのある顔だが、名前が出てこない。
「掛川(かけがわ)、さんだね」
思い出した名を呼び捨てにするにはもう大人として距離が出来すぎている。
一緒だった中学を卒業してからもう二十年目だ。
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