黄金色の欠片

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「ユリとかどうかな?」 真央が思い切った風に切り出す。 百合の花が好きだから、もしかすると、前々からこの名にしたかったのかもしれない。 「ユリも良さそうだね」 頷きつつ、自分としては何かが食い足りない。 「でも、ユリだとそのまま過ぎるから、ユリカとか下に付けた方がいいかな」 真央が下腹を撫でながら問い掛ける風に語る。 その様子を見ると、まだ性別も分からないのに、何故か女の子が生まれてくる気がした。 「ユリカちゃん、か」 悪くないけど、自分の中ではやはり何かがしっくり来ない。 視野の中で改札が近づいてくる。
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