困ったプレゼント

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困ったプレゼント

ある日、マーちゃんのお父さんが仔猫を連れて家に帰りました。仔猫は、お父さんに抱えられながら鳴いてます。茶トラの仔猫は初めて見る家に驚いたのか、風呂場の脱衣場へ逃げて行きました。とりあえず、その脱衣場のマットが最初の寝床になりました。 次の日から、仔猫は物陰に隠れては、そこから鳴く1日を送りました。時々マーちゃんたちが用意したトイレへ行ったり、餌を食べては元へ戻ります。夜になってマーちゃんたちが寝ると、仔猫は脱衣場のマットで休みます。 それから1週間経ちました。仔猫は、マーちゃんたちと仲良くなりました。みんなと遊ぶ仔猫は、もはや家のアイドルです。仔猫は、お腹いっぱい食べるので、少しずつ大きくなっていきます。いつしか、仔猫はみーちゃんと呼ばれるようになりました。 ある日、廊下の隅にネズミの死骸が落ちてました。とりあえず、お母さんはそれを片付けます。それからが大変です。家の中で、モグラや小鳥、虫の死骸が転がっているのです。その度にそれをゴミとして出すのがお母さんの仕事になりました。 その後、写真館からのチラシがポストに入ってました。お母さんがそれを取り出してみると、そこにはペット写真を募集してます。そこで、お父さんがみーちゃんの写真を撮ると、その写真館へ応募しました。 3週間後、当選結果が出ました。お父さんが貰えたのは佳作です。賞金を貰いそこねて、みんながガッカリしてる所へみーちゃんが何かを持ってきました。みーちゃんが生きたネズミを口に咥えているのです。逃げるネズミを弄んだ挙句、息の根を止めたみーちゃんは誇らしげに死骸を置いて行きました。 「 10万円の賞金をもらえるように腕を上げてから出品しろ!」 みーちゃんからの粗品を貰ったお父さんは、苦笑いしながらも、家族写真を撮ってその写真を部屋に飾りました。
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