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第三章 ダバイン王国からの使者
そんなある日の夕方、武道家の道場に旅の者が訪れた。
「王様にお話を伺ったところ、勇者殿はここにおられると聞いてきました」
対応に出た武道家に話すのは、背に剣を背負った若い女だった。共と思われる老人が後ろに控えている。
「ご用件は?」
「失礼しました。私はダバイン王国となった国の元勇者リュウの娘リンと申します。父から勇者殿に宛てた書簡を預かってきました」
武道家は稽古を終え、道場の隅に座って雑談をしている若者たちに声をかけた。
「お客さんだ。机とイスを用意しなさい」
若者たちは押入れから机とイスを出してきて並べた。
「客間もない狭い道場で申し訳ありませんな。さ、どうぞこちらへ」
リンは武道家にうながされ、道場の端に並べられたイスに座った。
「ダムガン、お客さんだ」
武道家が声をかけると、若者の中の一人がリンの前に来た。
「私が勇者ダムガンです」
ダムガンは名乗った。
リンは驚いた。
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