第二章 冒険に出る者

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「ダバインは強いぞ。魔物たちよりはるかに強い。この国の王として、そんな危険なところに若き勇者を送り出したくはないのだが」 「私はずっと勇者ダバインにあこがれて修行をしてきました。まだ見ぬ人ではありますが、一度は会ってみたい。できれば剣を交えてみたい。それが私の願いであります。私の剣の腕が未熟で、もしダバインに討たれようとも・・・・」 「そこまでの覚悟ができているのなら仕方がない。実は昨日、そなたの父も同じことを言った。他国のこととはいえ、民のことを思うのは勇者のあかし。今日は家に帰り、父のキノガンと話をし、どちらか冒険に行くと決まった者が明日またここに来るようにせよ。また、残った者が、ダバイン王国に行くことになっても、私は止めはせぬ」 「はい、ありがとうございます」  勇者ダムガンは頭を下げて王様の前から下がろうとした。 「ダムガン、決して命を粗末にするでないぞ」  王様は、ダムガンが町に残ると見越した様子で、ダムガンの背中に声をかけた。 「はい」  返事をして、ダムガンは去っていった。
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