0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
今日も隣の空地で無邪気に遊ぶ子供の声が聞こえる。
毎日同じ、この時間だ。
いつもの事だが、今日も気になって仕方がない。
『ゆっくりと寝かせて欲しい』と思いながら、ゆっくり振り返り窓の外を見る。
雑草だらけの荒れ果てた、立ち入り禁止の元公園。
今日も、姿が見えない子供の笑い声だけが聞こえている。
10年も前に亡くなった子供の笑い声が。
毎日うるさいから遊具を壊したのに、それでも遊んでいた。
その子供が亡くなった日の事を思い出す。
『まさか、こんな事になるとは、考えてもみなかった』と全身をゆっくりと揺らしながら思う。
壊したブランコのように揺れる自分の事を。
最初のコメントを投稿しよう!