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こころばかり
マサがリビングでまどろんでいると先日新しく建ったばかりの向かいの家から、まだまだかわいらしい声が聞こえてきた。
「陽菜さん素敵なお家ですね。これ、よろしければ使ってください。素敵な新居に合うかしら?」
「まぁ明菜さん素敵なプレゼントをありがとうございます。あ、これ良かったら召し上がってください。美味しいって評判のケーキ」
「あらおいしそう。陽菜さん、おいしいものを探すのがお上手だから。あ、じゃあこれ。さっき買ったお財布なんだけど、どうぞ」
「あら~こんなに高いものいいのかしら。ありがとうごさまいす。そしたら私からはこれ」
「やだ。素敵なバッグ。これじゃあ悪いから、今日乗ってきた車どうぞ」
「あのかわいい車?嬉しい。だったら、このお家あげちゃう」
「じゃあうちが持ってる山を」
「えーあの大きな山ですか?だったら、もう駅前のデパート全部持っていってください」
じゃあ…と陽菜が言いかけた時に二人を呼ぶ声がした。
「陽菜!明菜!そろそろ家の中へ入ってらっしゃーい」
呼ばれた幼い双子は急いで庭から家の中へ入っていった。
その足音を聞きながらマサは、もう一度目を閉じた。
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