悲しみに向かう出会い

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「すっかり遅くなっちゃったな。あれ、こんな所にアルラウネが生えてる」 フードを被った人物はフードを外しマンドラゴラに顔を近付ける。 その顔は無邪気な目をした少年であった。 「私はマンドラゴラだよ」 「うわ! 喋れるの?」 驚く少年を見てひとしきり笑った後、マンドラゴラは頷く。 「うん。生まれて初めて喋ったけどね」 「そうなんだ。マンドラゴラが話せるとは思わなかったから、驚いたよ。あ、僕トリスっていうんだ。君は?」 「マンドラゴラだよ」 「そうじゃなくて名前は?」 「名前? 名前、名前……。無いよ。誰も付けてくれなかったから……」
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