3人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
「すっかり遅くなっちゃったな。あれ、こんな所にアルラウネが生えてる」
フードを被った人物はフードを外しマンドラゴラに顔を近付ける。
その顔は無邪気な目をした少年であった。
「私はマンドラゴラだよ」
「うわ! 喋れるの?」
驚く少年を見てひとしきり笑った後、マンドラゴラは頷く。
「うん。生まれて初めて喋ったけどね」
「そうなんだ。マンドラゴラが話せるとは思わなかったから、驚いたよ。あ、僕トリスっていうんだ。君は?」
「マンドラゴラだよ」
「そうじゃなくて名前は?」
「名前? 名前、名前……。無いよ。誰も付けてくれなかったから……」
最初のコメントを投稿しよう!